プロキャス警備

アイング株式会社

隊員側も管理側も負担が大幅に軽減。
導入効果が極めてわかりやすく、DXに懸念を示していた人たちからも好意的に受け入れられた。

経営企画室部長兼DX推進担当部長 守屋幸作さん
(経営企画室部長兼DX推進担当部長 守屋幸作さん)

企業名:アイング株式会社
事業内容:百貨店や商業施設などの施設警備、等
稼働隊員数:月間300名

■導入前の課題

・隊員からの自宅出発・現場到着の電話を受けるために管制室には早朝から毎日3人のスタッフが待機していた
・電話が集中する時間はつながりにくく隊員はストレスになっていた
・翌月のシフト作成に毎月5~6時間かかっていた

■導入後の変化

・管制室に待機するスタッフの工数を減らすことができた
・シフト作成は完全にシステム化、作成時間は0になった
・業務効率化の成功事例となり、DXに懸念を示していた人たちも聞く耳を持ってくれるようになった

清掃、警備、設備管理といったビルメンテナンス業務から、建築設計や施工管理などの空間創造事業、テナント誘致をはじめとする資産価値創造事業、人材派遣、バックオフィス事業まで、ビルの運営にまつわる事業を幅広く手掛けている『アイング株式会社』。朝晩の施錠・解錠を担当しているビルは非常に多く、それゆえ隊員の出発確認・到着確認にはかなりの労力を費やしていたといいます。同社経営企画室部長兼DX推進担当部長の守屋幸作さんから見ても、業務効率化は喫緊の課題。いかにして上番・下番管理の手間を減らすと同時に、不測の事態に備えるかを考えていた矢先、「プロキャス警備」に出逢ったことで、どのように業務効率が改善されていったのかをお伺いします。

隊員の自宅出発・現場到着の連絡は電話してもらうしかなかった

ー「プロキャス警備」は主に上番・下番管理のために使っているそうですが、以前はどのような方法で管理していたのですか?

守屋「すべて電話で管理していました。勤務日の隊員には、“今から家を出ます”と“現場に到着しました”の1日2回、北海道にある管制室に電話してもらっていました。夜間、無人になるビルでは、施錠時に機械警備(建築物進入や火災などの異常をセンサーが察知して発報するシステム)をセットして、翌朝の警備担当者が解除することになっているのですが、担当者が遅刻すると、ビルで働く人たちが中に入ることができません。
そのため、絶対にそのようなことがないよう、電話がかかってこなければ急いで代わりに行ける隊員を探す必要があるため、管理する側も毎朝慌ただしい時間を過ごしていました。管制室には3人のスタッフが待機していたのですが、施設数が約60軒あるため、電話が集中する時間帯はひっきりなしに取り次ぎが必要でした」

集中する時間帯は、電話がつながりにくいのも問題だった

ーその時間帯だけものすごく忙しくなっていたのですね。

守屋「そうなんです。しかも、ビルを開けるために早朝の3時台、4時台に出発する隊員も多いので、管制室で管理を行うスタッフは泊まり込みです。3時までに管制室に到着しておけば対応できるとはいえ、その時間は公共交通機関も動いていないので泊まるしかありません。結果として暇な時間も多く、すごく効率が悪いんです。
しかも、管制室に電話を入れる隊員側からしても、電話が集中するとつながりにくく、何回もかけないといけないというデメリットがあります。隊員のなかにはスマホを持っておらず自宅の電話から連絡を入れている人もいるので、出かける直前になっても電話がつながらない、と焦ることもあったはずです」

会社の規模が大きくなっても、管理者を増やさずに業務が回る仕組み

「プロキャス警備」の利用料は、上番・下番管理のシステムを自社開発した場合と比べて格安だった

ーでは、そうした状況を改善したい思いがあったのでしょうか?

守屋「DX推進を担当している身としても、業務効率を改善したいと常々考えていました。状況を改善できるシステムを自社開発するのがいいのか、ニーズに合うシステムを探して導入するのがいいのかをDXコンサルに相談したこともあります。それに対するコンサルの返答は、“要望に合うシステムは現状存在しないから自社で開発するのがいいだろう”とのことでしたが、見積もりを出してもらうと数百万円とかなりの金額。それでも開発したほうがいいのか…と検討していたちょうどそのころ、『プロキャス警備』が展示会に出展することを知りました。
課題を解決するための機能があるか部下に視察を頼んだところ、要望にぴったり合うことがわかりました。しかも値段は自社開発した場合と比べて遥かに安い。導入しない手はないと即決しました」

「プロキャス警備」を導入したことで、電話対応のスタッフを1名分減らすことができた

ー導入にあたって不安はありませんでしたか?

守屋「不安というより、早朝勤務に対応している隊員は基本50代以上で、スマホを持っていない場合に端末を貸与するのかについては検討する必要がありました。しかし、スマホを持っていない人の割合を確認したところ約1割だったので、ひとまずは電話でも連絡できる状況はキープしつつ、『プロキャス警備』を導入する形にしました。ただし、電話の対応件数が大幅に減るため、管制室に3名待機していた当該業務の対応をするスタッフの業務量を1名分減らすことができました。隊員からもアプリになって電話連絡のストレスも減り、楽になったという声が出ていました」

「プロキャス警備」のスマホアプリはUIがわかりやすいから、スマホ初心者でも問題なく使える

ー残りの9割のスマホユーザーは、最初から問題なくアプリを使いこなせましたか?

守屋「UIがわかりやすいので問題なく使えています。私自身、導入前にインストールして使ってみたのですが、ログイン状態が保持されるため毎回パスワードを入れる必要もないし、出発連絡のボタンは大きくて見やすく、出発連絡をしたら自動的に到着連絡を入れるための画面に切り替わっているから、すごく簡単に操作できました。
予想外の副次効果は、スマホ連絡の便利さを目の当たりにした非スマホユーザーの隊員たちがスマホを買い始めたことです。ありがたい気持ちはありつつ、“アプリを使ったことがない人がちゃんと使えるだろうか?”と心配だったのですが、インストール方法を教えた翌日にはユーザー登録が完了していたので、初心者にも使いやすいということなんだと思います。ちなみに、こちらで用意したのはQRコードをプリントした用紙と簡単なマニュアルだけです。それだけでみんな問題なく登録し、使いこなしています」

「プロキャス警備」のスマホアプリはUIがわかりやすいから、スマホ初心者でも問題なく使える

シフト作成の必要がなくなり業務効率が大きく向上

ー管理する側の負担も軽減されましたか?

守屋「電話応対の件数が減ったのはもちろん、シフト管理表の作成・調整にかかる時間も削減することができました。これまでは、月末に翌月の各現場ごとのシフトが出ると、手書きで1日毎のシフト管理表に書き起こしていたので、その作業だけでも5~6時間かかっていたんです。
しかも、“何時までに電話が来なかったら代理要員に電話する”という基準時間は施設や担当者によって異なるし、シフトの変更があればそのたびにシフト管理表を書き換える必要があるため、日々、シフトの更新作業に追われていました。しかし、『プロキャス警備』導入後は、現場からシフトが届いたら自動的に『プロキャス警備』に書き込むRPAを開発して活用しているので、シフトを作成する必要がなくなりました」

「プロキャス警備」は導入の効果がわかりやすいから、デジタルに疎い人にも喜んでもらえた

ーDXが一気に進みましたね。

守屋「もうひとつ予想外の副次効果として、『プロキャス警備』の導入が大きな成功事例となったことで、新しいテクノロジーの導入に懸念を示していた人たちが、聴く耳を持ってくれるようになったことも挙げられます。DXを進めるとどうしても最初は反対意見が出がちですが、『プロキャス警備』は、導入することによって一人ひとりの負担が軽減されることがわかりやすいので、すんなり受け入れてもらえたのだと思います。社内でもすごくいい事例になりました」

今後は小型現場の管理コスト縮小のためにも「プロキャス警備」を活用していきたい

ー「プロキャス警備」を活用した今後の展望を教えてください。

守屋「弊社の関連会社からも、隊員の管理に関して相談を受けることがあるので、現在、どうすれば『プロキャス警備』を活用した業務効率化を提案できるかを模索中です。
たとえば、プロキャスを利用した管制業務のアウトソースを受託するのもひとつの手ですし、小規模マンションなど小型現場の管理コストを縮小するために、周辺の大型商業施設の担当者が複数拠点を回る方法も考えられます。『プロキャス警備』を活用すれば可能性の幅が広がるので、関連会社やクライアントにも新しいことを提案していけそうです」